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ふろく電ブロminiのできるまで

「学研電子ブロックを大人の科学マガジンのふろくにできるか?」 → 「できました!」
ふろくでほしいアンケート1位の電子ブロックが、大人の科学マガジン32号のふろく「電子ブロックmini」になるまでを開発者がつづります。

1.きっかけは読者アンケートから

「おっ、これも電ブロだ」
話は1年前(2010年)の初夏にさかのぼる。大人の科学マガジンの来期のふろくを決める時期がせまっていた。本誌には、ふろく候補を読者に選んでもらうアンケートはがきがついている。ちょうど27号(ふろくは8ビットマイコン「ジャパニーノ」)のはがきが戻り始めていた。

▲学研電子ブロック EX-150復刻版とパッケージ。46個のブロックがあり、150の電気実験ができる。
現在はEX-150新装版が発売されている。

以前より、大人の科学製品版の電子ブロック(EX-150)をふろく化する話は出ていたが、まずは読者に聞いてみようということで、ふろく候補にあげてみた。

結果はダントツの1位だった。やはり電ブロの人気は根強い。ただ、すでに製品版がある以上、どこにポイントを置いて開発するか、は編集部内でも意見が分かれた。なつかしさか、新機能か、教材性か。すべてが満たせれば問題ないが、原価的な限界がある。マガジンのふろくとしてつけるからには、高くても4,000円を切って3,000円台で出したい。製品版で税込み12,310円のものを1/3にしようというのだから、その壁は厚かった。

読者の傾向をより詳細に探るべく、戻ってきたアンケートはがきからふろく電ブロを選んでくれた方の中から無作為に抽出した200名以上の方へ特別アンケートを実施した。結果をみると製品版の電ブロを持っている人は約15%と意外に少なく、中には発売されていることを知らない人もいた。ただ、やはり電ブロ自体は、子どもの頃、あこがれていたり、どこかの店頭で見たり、と知っている人は多かった。

傾向として読みとれたのは、デザインを一新した新製品ではなく、ブロックなどはむしろ昔のままでラジオやアンプ、うそ発見機といった基本的な回路がなるべく多く組めるものにしてほしい、ということだった。

さらに「子どもと一緒に勉強できるものがいい」「製品版とも互換性をもたせてほしい」というものが少なくなかった。

開発方針は決まった。電ブロのデザインは踏襲しつつ、機能をなるべく落とさず、最大のコストパフォーマンスをめざす。こうして製品開発が始まった。

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