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特集:ふろくカメラ、パワーアップキット!? Zone Plate(ゾーンプレート)

ゾーンプレートとは?

 ピンホール以外にもレンズを使わずに写真を撮る方法がある。ゾーンプレートと呼ばれるしましまのプレートをつけると、ピンホールより少ない露光時間で撮影することができ、ひと味違ったボケあじが楽しめる。

ゾーンプレート:透明なフィルムに黒く印刷されている。白い部分から光が入る。

ゾーンプレート

ゾーンプレート3秒

ピンホール7秒

光の回折と干渉を利用したゾーンプレート

 ゾーンプレートで、なぜ写真が撮れるのか? レンズは、光の屈折を利用して光を集める。それに対してゾーンプレートは光の回折と干渉を利用している。ゾーンプレートに入った光はスリットで回折し、干渉しあう。このようにレンズとは違った仕組みで写真を撮るゾーンプレートは、科学的にも興味深いピンホールの発展形なのである。

ふろく専用ゾーンプレートを作る

 ゾーンプレートは透明なフィルムに、黒いしまを印刷したもの。焦点距離によって、しまの間隔や数が決まり、それらは公式から算出できる。それを作図系のソフトで描き、白黒反転させ拡大したものをネガフィルムで撮影すると、フィルム上に撮影用のゾーンプレートができる。このようにすれば、個人でもゾーンプレートを製作可能…、と海外のサイトなどで紹介されている。

 となれば、編集部で製作し、その作り方を読者に紹介するという企画を! と、早速、作ってみることにした。しかし、ふろくに合ったゾーンプレートを作ることは容易ではなかった。

編集部では難航

 結論から言うと、ふろくのカメラ用のゾーンプレートを製作するには、焦点距離(フィルムまでの距離)が短かすぎた。焦点距離が短くなると、ゾーンプレートの直径が小さくなり、しまの幅も極めて狭くなる。ふろくの焦点距離は、25mm(ステレオ)と30mm(パノラマ)。この値で計算すると、ゾーンプレートの直径は1mmにも満たない0.6mmほどになってしまう。上記のような手法でこの精度を出すのはとても難しく、フィルムも黒が透けない特殊なフィルムが必要な上、現像も通常の現像液ではできないらしい。こうして、編集部でのゾーンプレート製作は暗礁に乗り上げた。

Doctor Andに依頼

 そこで、HOLGA用フィッシュアイなどの生みの親、ピンホールカメラにも詳しいDoctor Andに、ふろく専用のゾーンプレート製作を依頼してみることにした。Doctor And曰く、「欧米では、レンズとは違う仕組みで写すゾーンプレートはおもしろがられるけど、日本ではちょっとウケないんだよねえ…。ピンホールよりもボケちゃうから、写りを気にする人には、“何だこれ?”って感じになっちゃうんだよ」。そこは『大人の科学マガジン』、カメラ雑誌ではなく科学誌ですから、きっと、読者の皆さんは興味をもってくれますよ、と説得(単純にふろくのカメラでどんなゾーンプレート写真が撮れるか見てみたかった!)。Doctor Andのお知り合いのピンホールブレンダー社の社長さんの器材でサクッと作っていただきました。そして、写した写真のできばえは、やはりボケてますが、味がある! 独特の光の表現です!

▼左の写真がゾーンプレート、右の写真がピンホールによる撮影
(同時に撮ったので立体視できます)

▼もちろん両方ゾーンプレートで、立体写真も撮れます

ふろく専用ゾーンプレートは、Doctor Andのサイトから購入可能。
限定数なので品切れ必至! お早めに! http://www.doctor-and.com

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