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第10回 聞仲と福寿

 その2匹は今も家にいる。兄妹だと思うのだけど(姉弟かもしれない)、外見も性格もまったく違う。茶トラでオスの名前は聞仲(ぶんちゅう)。中国の古典である「封神演戯」に登場する仙人の名前だ。真黒のメスの名前は福寿(ふくじゅ)。七福神の福禄寿からとった。ブンチュウはとにかく鷹揚な性格で大食漢。体重は7キロもある。娘たちはツチノコなどと時おり呼んでいる。対照的に福寿はとにかく神経質で食も細い。体重はたぶん聞仲の半分もない。

 ネコは世界中で飼われている。その起源には諸説あるけれど、ミトコンドリアの解析などから、アフリカにすむリビアヤマネコがすべてのイエネコの先祖であるようだ。
 高校卒業以降、つまり一人暮らしを始めてから今まで、僕の生涯の半分はネコが一緒にいた。それほどに身近な動物だ。でも調べてみると、意外に多くのことがいまだに分っていない。
 たとえば機嫌のよいときにゴロゴロと咽喉を鳴らすあの意味とメカニズム。これがいまだに定説がないようだ。最近ではあのゴロゴロ声の周波数が、骨折の治療や呼吸器系の疾患からの回復にとても有効であるとの説すらある。

 ネコ派か犬派かとはよく聞かれるけれど、ぼくはどちらでもない。決めたがる人はよくいるけれど、決める意味もよく分らないし、必要も感じない。
 ネコの素気なさと気まぐれさに和まされるときもあれば、犬の忠誠と献身が愛おしいときもある。でも最近は(本音を書けば)、ネコのほうがちょっと優勢。たぶん僕が慢性的に疲れているからだと思う。とにかく結論。あと何年生きられるか分らないけれど、ネコはたぶんずっと傍にいる。

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