タヌキだけではない。虫や小動物も、探せば実のところはたくさんいる。冬に見かける虫の代表格は、何といってもフユシャク(冬季に活動するシャクガ科の仲間の総称)だ。見た目はとにかく地味。最もよく目にする蛾のタイプだ。幼虫はよく知られている尺取虫。フユシャクのほとんどは、気温がぐっと冷え込み始める11月から12月にかけて成虫となる。
フユシャクがなぜわざわざ冬に成虫になるかについては諸説ある。カマキリやクモなどの天敵が少ないからとの理由が、いちばん説得力はある。でも鳥は冬季にもいる。冬場は彼らも餌が欠乏するから飢えている。シャクガは貴重な蛋白源になるはずだ。だから違う理由があるのかもしれない。
フユシャクガで特筆すべき生態は、メスは翅がないか、あるいはあっても極端に短くて、飛翔する器官としてはまったく意味を失っていることだ。翅を喪いながらのそのそと地表を歩くその姿は、まるでメタボで太りすぎたシラミかダニのようだ。