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第15回 住宅地のヒキガエルの謎

 子供のころ、僕はネッシーが実在しているかどうかについては懐疑的だった。基本的にUFOやUMAなどについては興味津々で、どちらかといえば存在してほしいと願うタイプだったけれど、ネッシーについては難しいと思っていた。なぜなら生きものが限定されたエリアで世代交代を重ね続けるためには、ある程度以上の個体数が必要だ。さらに仮にネッシーが恐竜(爬虫はちゅう類)ならば、産卵は(両棲類であるカエルとは逆に)水中ではなく陸上でなされねばならない。つまり湖から顔を出したその瞬間だけでなく、地面に埋められた卵や孵化ふかの瞬間などが、もっと頻繁に目撃されているはずなのだ。
 ヒキガエルはそもそも、カエルとしては例外的なくらいに水を必要としないけれど、産卵だけは水なしでは無理だ。

 阿佐ヶ谷は住宅街だ。路地の奥に古い家屋や邸宅が時おりある。庭に池がある家もあるかもしれない。ならばそこで繁殖していると考えることは無理だろうかとも考えた。
 でもおそらく無理だ。頻繁に見かけたあの回数から推測すると、阿佐ヶ谷のあの狭いエリアだけでも、たぶん数千から数万単位のヒキガエルが生息しているはずだ。しかもヒキガエルは集団で池に産卵する。雌一匹当たりの産卵数も、個体によっては二万個近くなる場合がある。つまり個人の家の池の大きさで、その規模の繁殖がまかなえるはずがない。

 この謎は今も解けていない。早稲田大のキャンパスで見つけたヒキガエルにしても事情は同様で、池を持つ大隈庭園が近くにはあるけれど、その繁殖の規模を考えたとき、やはりこの池だけで説明することは難しい。

 もちろん本気で調べる気になればすぐに調べられることだ。というか、資料をもう少し丹念に当たれば、このレベルの疑問への回答など、すぐにわかるのかもしれない。
 でもフリーターの身である今は、とにかく時間がない。だからもしご存知の方がいたら、教えてもらえるとありがたい。

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