一般的にはナナフシは、擬態の上手な虫として語られることが多い。確かに樹木の葉や枝の上にいるときは、見つけることは難しい。指の先を近づけると、葉の上で脚を踏ん張りながら、なぜかユラユラと揺れる。ナナフシを見つけるたびに僕は指先をその顔に近づけているが、ほとんど例外なくこのユラユラをやる。意味は不明。脅しの一種ではと考えたが、脅しにしてはあまりに中途半端だ。風に揺られている木の枝を擬態してるとの説もあるけれど、それもやっぱり中途半端。風のないときにはかえって目立つ。実際に僕がナナフシを見つけるときは、たいていはこのユラユラをやっているからだ。
とにかく妙な虫だ。一言にすれば虫っぽくない。前回のカラスについては、皮膚の内側に別の生きものが潜んでいるような気がしてくると書いたけれど、ナナフシの場合は、皮膚の内側に地球外生命体が潜んでいるような気がしてくる。