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タネの話 写真・文/埴沙萌(はにしゃぼう) プロフィール等は「埴沙萌の植物記」

第1回 タネは生きている~生命の保存カプセル

 写真(1)は、カキの果実をたてに切ったものです。タネ(種子)もうまく切れています。タネのなかに白く見えるのは、苗です。幼いので幼植物と呼んでいますが、胚珠(タネのたまご)のなかの胚が生長した姿です。
 上の方が胚軸(幼い茎)で、下の方が子葉です。その小さな苗をとりかこんでいる、半透明状の白いのは胚乳です。苗が芽ばえるときの幼児食です。

 カキのタネを果実からとりだして土の上におくと、胚軸の先端から根が出てきます。最初に出てくる根なので初生根(しょせいこん)と呼んでいます。つぎに胚軸が出てきます。そして子葉が出て、双葉をひらきます。
 根は、まちがいなく土のなかに向かってのびてゆきます。胚軸は、空に向かってのびて、そして子葉は太陽の光を受けて大きくひらきます。これを、芽ばえと呼んでいます。

 写真(2)は、ハスの果実をたてに切ったものです。ハスの果実にはカキのような果肉はありません。白く見えるのはタネのなかの胚乳です。ハスのタネのなかの幼い苗は、日があたらないのに緑色をしています。左上が芽ばえのときに初生根が出る部分です。胚軸は、二つ折りになって入っています。子葉は、くるくると巻かれています。
 この写真はハスの果実ができてから1年たったものですが、古代ハスのタネは、こんな状態で2000年も生きていたのですね。

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