ヘソの緒がついていたあとは、ヘソですが、木や草のタネにもヘソがあります。エンドウやソマラマメ、ダイズなどのタネに黒い部分がありますが、それがヘソです。ドングリやトチノキの実の「おしり」といっている部分は、お尻じゃなくて大きなヘソです。
タネは、お母さんのおなか(果実)から旅だってゆくときには、たいていヘソの緒がとれていますが、ヘソの緒がついたまま、旅だつタネもあります。アオイスミレやエンレイソウなどのタネには、翼も羽毛もないので、風で飛んでゆくこともできません。でも、アリがはこんでくれます。ヘソの緒は、アリの好きな食べものです。果実を、食い破ってヘソの緒を食べるアリもいます。なかにはヘソの緒だけ食べて、タネをはこんでくれないアリもいますが、雨が降ったときに流されて、遠くまで旅をするタネもあります。