写真(1)は、埴沙萠がいま住んでいる、ここ群馬県北部の雪降る里で撮影したヒマワリの果実期の姿です。冬になっても、果実は落ちないで、そのままでした。
ヒマワリの果実は熟れると落ちる。高い茎から落ちるので、風が吹いて茎が揺れると遠くまでとんで行くこともある。これがヒマワリのタネの旅だちなんだ。そう思っていたのに、ぜんぜん落ちないその冬姿を見て、あっそうだ!と気がついたことがありました。
大輪のロシアヒマワリは、タネから食用油などを採るために野生のヒマワリを品種改良してきたものです。油を含んだタネが大きくて、しかもたくさん出来る品種を目ざして改良をつづけて、写真(2)のように1000粒以上も果実ができる品種が出来たのですが、そうして、せっかく出来た果実が、熟れるとすぐ落ちるようでは、タネを採ることが出来ません。イネやムギ、トウモロコシなどと同じように、果実が熟れても落ちない個体を選んで品種の改良をしてきたのでしょう。