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大人の科学メールマガジン No.1              平成14年7月5日発行
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 こんにちは。学研の湯本です。「学研電子ブロック 情報メール」改め、「大人の
科学メールマガジン」の創刊号をおとどけします。
 これからは、学研電子ブロックの情報だけでなく、「大人の科学」シリーズ全般の
話題をいち早くお届けいたします。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

- Contents -
  01 - 「学研電子ブロック」入荷情報
  02 - 「からくり茶運び人形」写真を公開
  03 - 「からくり人形」の歴史
  04 - 「マイキット」復刻の検討をはじめました
  05 - 「学研OnlienShop」送料無料サマーセール実施中


◆01-「学研電子ブロック」入荷情報-------------------------------------------

 おかげさまで、大変な数のご注文を日々いただいております。弊社のオンラインシ
ョップではすでに8月下旬送品分の予約をいただいております。何とか増産のスピー
ドを上げて、当初の予定より少しずつ早めに入庫するようになってきました。7月中
旬に予定されていたロットが6月中に入庫いたしましたので、予約のお客様には少し
早めにお送りすることができました。
 この後も、順次入庫が予定されておりますので、9月以降には何とかお店で通常販
売の状態となるのではないかと思っています。何度か申し上げておりますが、全商品
の検品を行っている関係上、月産台数の上限がありますことをご理解いただければと
思います。また、この検品体制につきましても、少しでも早くお届けできるよう検討
している最中です。
 すでに3万台以上を出荷いたしましたが、まだ出荷するそばから品切れになるよう
な状態が続いております。そのため、8月中には累計5万台を突破しそうな勢いで
す。当初年間2万台程度売れれば・・と考えていたのですが、それを大幅に超える大
ヒットとなりました。本当にありがとうございました。


◆02-「からくり茶運び人形」写真を公開---------------------------------------

 すでに何度かご紹介した「からくり人形」ですが、制作は順調に進行しておりま
す。今は、ようやく顔の部分がフィックスして、次に着物をどうするかという検討を
行っています。顔もそうですが、着物も、上を見ると限りないのですが、「大人の科
学」シリーズのラインナップとして妥当な価格で販売するため、日々悩んでおりま
す。今のところ、だいたい6000円前後で設定できそうな見通しとなってきました。ま
た発売日ですが、2002年のうちには何とか発売にこぎつけられそうです。この件は、
正式に決定しだいこのメールにてお知らせいたします。

 今回は、はじめて実写の写真をご覧に入れたいと思います。まだ着物を着ておりま
せん。また、プラスチックの色は写真では白ですが、製品は茶色にする予定です。こ
のような細部の変更はありますが、ほぼこの状態までフィックスすることができまし
た。

http://shop.gakken.co.jp/otonanokagaku/mailnews/karakuri.jpg


◆03-「からくり人形」の歴史-------------------------------------------------

 今回の「からくり茶運び人形」について、少し歴史的背景をお知らせしておこうと
思います。ちょっと長くなりますが、私たちが「大人の科学」としてこのアイテムを
選択した背景をここから汲んでいただければと思います。

□意外に古い「からくり人形」の歴史
 「からくり人形」というと、江戸時代のものというイメージが強いのですが、歴史
は意外に古く、すでに平安時代末期の「今昔物語」に記述を見ることができます。ま
た、日本には古くから木偶師(傀儡師)と呼ばれるあやつり人形師がおり、大道芸の
一種、時によっては神事として人形を使う技と技術がありました。これに、16世紀に
入ってきた西洋の時計技術から生まれた和時計の技術が組み込まれ、「からくり人形
(自動人形)」として、江戸時代に昇華したと考えられています。

□井原西鶴の見た「からくり人形」
 「茶をはこぶ 人形の車 はたらきて」この句は、江戸時代初期の作家、井原西鶴
の句です。この句が収録されている句集「独吟百韻」(1675年刊)の自註に「江戸播
磨、大坂の竹田、唐土人の知恵もつもりて、ゼンマイの車細工にして、茶台をもたせ
て、おもうかたへさし向かえしに、眼口のうごき、足取りのはたらき、手をのべて腰
をかがむ。さながら人間のごとし。」とあります。この人形こそ、からくり茶運び人
形です。

□「茶運び」という動作
 茶運び人形は自動人形です。お盆の上にお茶の入った湯飲みを置くと、ゆっくりと
動き出します。足を交互に出し、すり足で歩いていきます。客の前に来ると、お辞儀
をします。このタイミングでお茶をお盆からとると、停止します。客がお茶を飲んで
お盆に湯飲みをもどすと、くるりとUターンして主人の元へ空の湯飲みを運びます。
動力はゼンマイのみ。この一連の動作がすべて当時の機械技術によって実現されてい
ます。まさにロボットの原点です。

□唯一のからくり人形指南書
 実は江戸時代初期に作られたからくり人形(自動人形)で現存するものは残ってい
ません。現存するのは、後世(江戸末期)のからくり人形師が自身の創意と工夫で生
みだした物です。しかし、いずれも、1796年に刊行されたある1冊の書物を参考にし
ていたと考えられています。その書物が、現存する唯一のからくり人形指南書にして
日本最古の機械工学書「機巧図彙(からくりずい)」。作者は土佐にこの人ありと言
われた「からくり半蔵」こと細川半蔵頼直でした。

□からくり半蔵
 半蔵は若い頃、青雲の志をいだき、土佐を出て江戸へ向かいました。村を出るとき
橋の柱に「不一揚名干天下、不復過此橋(天下に名を上げずんば、再びこの橋を渡ら
ず)」と彫ったと伝えられています。江戸でも半蔵のからくりは評判を呼びました。
あるとき、からくりの技を競うことになり、半蔵の作ったからくりのねずみが相手の
作った猫のからくりを食い殺したというエピソードが残されています。幕府の改暦委
員にも任命され、当時一流の科学技術者として名声を得たといわれます。「機巧図
彙」は、半蔵が1796年に著した首・上・下三巻からなる機械工学書です。半蔵はこの
書物を書き終え、同じ年1796年に没しました。(その才能をうらんだ何者かに毒殺さ
れたという説もあります。)

□世界に誇る「機巧図彙」
 機巧図彙には、当時秘伝とも言えるからくり製作のノウハウが詳細に記述されてい
ます。首巻では「掛時計」など和時計4種、上巻では「茶運び人形」はじめ人形3種、
下巻では「魚釣り人形」ほか6種の設計図、製作の手順が載っています。多くの図を
駆使し、微に入り細に入り丁寧に解説されています。このような本は、当時、世界的
に例がなく、日本人の機械工学における先進性を証明しているとも言えます。


 今回の「からくり茶運び人形」も、もちろんこの「機巧図彙」に基づいて作り上げ
たものです。私たちも、図面を見ながら、「なるほど、こういう仕組みで動かしてい
たのか」と感心することしきりでした。江戸時代の技術といっても、「あの時代によ
くこういうことを考えたなあ」と思えるノウハウがぎっしり詰まっています。
 今回の大人の科学シリーズVol.8の「からくり人形」は、組み立てキットです。こ
のキットを組み立てることで、この江戸時代の機械技術の面白さ、ノウハウを体験す
ることができると思います。私たちも、今回この企画を推進して、一番面白かったの
がこの点です。ぜひ皆さんも、江戸時代の最先端技術を体験していただければと思い
ます。


◆04-「マイキット」復刻の検討をはじめました---------------------------------

 ところで、発売以来、「学研電子ブロックEX-150(復刻版)」をお求めいただいた
お客様からたくさんのお便りをいただいております。実は、その中で一番多かったご
要望が「マイキット」の復刻でした。
 これほどたくさんの方に望まれているならば、やらねばならないのではないか、と
いうことで、現在私たちのチームでは復刻に向けて検討を始めたところです。ところ
が、いざ資料をしらべていくと、マイキットは電子ブロックにもましてバージョンが
多く、一体どれを復刻すればいいのか悩んでしまっています。その他にもいろいろ皆
様からのご意見を伺いたいということもあり、今アンケートを行う準備をしていま
す。詳細は次号のメールマガジンでお知らせする予定ですので、その節はご協力いた
だければ幸いです。


◆05-「学研OnlineShop」送料無料サマーセール実施中---------------------------

 「学研OnlienShop」では、ただいま「2002年サマーセール」と称して、送料無料キ
ャンペーンを行っています。(2002年8月末まで)「エジソン式コップ蓄音機」な
ど、大人の科学の1〜6までの全商品が送料無料でお求めいただけます。この夏、じっ
くりと「大人の科学」に取り組んでみてはいかがでしょう。どうぞこの機会にご利用
ください。また、お子様向けの自由研究アイテムも各種取り揃えております。(こち
らも送料無料です)ぜひ皆様のアクセスをお待ちしております。

学研OnlineShop
http://shop.gakken.co.jp/

自由研究に役立つアイテムショップ「なるほどランド」
http://shop.gakken.co.jp/shop/naruhodo/index.html

「大人の科学」ホームページ
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(株)学習研究社
科学学習編集部企画開発室 湯本博文
e-mail:otonanokagaku@gakken.co.jp

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