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大人の科学メールマガジン No.32              平成16年3月5日発行
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 学研の湯本です。前回のメールマガジンから少し間が空いてしまいましたが、いか
がお過ごしですか。当メールマガジン史上最長の連載となった「メカモ」ヒストリー
が今回で完結です。長い間お付き合いいただきありがとうございました。「クラブ」
の予約開始までもうすぐです。どうぞご期待ください。

- Contents -
  01 -当メルマガ読者だけの先行予約開始まであと10日!
  02 -「メカモ」ヒストリー(4)
  03 -新作「スターリングエンジン」続報


【01】……………………………………………………………………………………………
  当メルマガ読者だけの先行予約開始まであと10日!
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 前回もお知らせしたとおり、今回は当メールマガジンを読んでいただいている読者
の皆様限定で、特別価格での先行予約を行います。

 予約開始は、3月15日(月)。当日朝にメールで予約ページのアドレスをお知らせ
いたします。この時点でメールマガジンにご登録が無い場合は、先行予約のご連絡が
届きませんのでご注意ください。

 「クラブ」
=> http://shop.gakken.co.jp/otonanokagaku/mailnews/img/m_kani.jpg
  ┏━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ┃先行予約期間 ┃平成16年3月15日(月)〜3月21日(日)まで ┃
  ┣━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
  ┃お支払方法  ┃「代引き」もしくは「クレジットカード」   ┃
  ┃       ┃(VISA、Master、JCB、AMEX利用可能)     ┃
  ┣━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
  ┃予約特典   ┃通常価格5980円(税込)のところ       ┃
  ┃       ┃ 先行予約特別価格5400円(税込)      ┃
  ┃       ┃さらに、送料・代引き手数料無料       ┃
  ┣━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
  ┃お支払い金額 ┃5400円(本体5143円+消費税257円)      ┃
  ┣━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
  ┃発送日    ┃ 平成16年4月13日頃予定          ┃
  ┗━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
*発送地域は日本国内のみとなります。
*離島などの一部地域では代引き配送をご利用いただけません。ご了承ください。
*商品の破損、不良の場合の返品はお受けいたしますが、それ以外のお客様理由に
よる返品はお受けできません。あらかじめご承知ください。

 今回の先行予約は特別価格でのご提供のため、数量限定とさせていただきます。予
定数量に達した段階で期間中でも予約を中止させていただくことがございます。また
メールマガジンの読者限定とさせていただきますので、予約時点でメールマガジンに
メールアドレスのご登録が無いお客様には予約をお断りする場合がございますので、
ご了承ください。(予約申し込み時に、メールマガジンに登録されているメールアド
レスをご記入ください)
 尚、他のオンラインショップ、店舗では3月18日(木)から予約が始まります。


【02】……………………………………………………………………………………………
  「メカモ」ヒストリー(4)
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 昭和47年(1972年)7月から発売が開始されたメカモシリーズは、大変な反響を呼
びました。前回も書きましたが、あるときは月間3万台も出荷したことがあるほどで
す。メカモは、当時これも学研が販売していた学研電子ブロック、マイキットと並ぶ
子供たちの垂涎の的となったのでした。

 ところが、好調だったメカモに全く予想もしない出来事が起こりました。それが、
昭和48年(1973年)秋に起きた第一次オイルショックです。ある日突然スーパーから
トイレットペーパーが消えるという騒ぎをおぼえていらっしゃる方も多いと思います。

 オイルショックは、原材料の高騰という事態をもたらし、当時の日本経済全体に非
常に深刻な打撃を与えました。実はメカモもこれに非常に大きな影響を受けたのです。

 オイルショックによる原材料の高騰に絶えられず、メカモはあるとき値上げを余儀
なくされました。たとえば1800円だったインチウァームが3500円になるほどの大幅値
上げだったため、これがメカモの販売面では相当に大きな影響を与えてしまいまし
た。

 一方、メカモそのものは各方面から高い評価を受けました。特に大学の工学部で教
材に使われることが多く、富谷先生が講師をしていた東京工業大学と早稲田大学で
は、設計者の石山さんが助手を務めて講義が行われたそうです。

 また、昭和50年(1975年)に行われた沖縄海洋博では、芙蓉館においてメカモの展
示が行われました。(ここではメカニマルという名前で呼ばれていました)芙蓉館の
テーマは「海のバイオニクス」というもので、その中心の展示が「機械水族館」とい
うものでした。このときは、海の生物をテーマにしたメカモが多数展示されました。
この展示そのものにも学研は大きく関わり、また石山さんも八面六臂の活躍をしたそ
うです。

 このとき作られたメカモは海洋博終了後、東海大学に寄贈されました。静岡県静岡
市にある東海大学海洋科学博物館に行くと、今でもこれらの機械生物たちに会うこと
ができます。ちなみに、このとき展示されたものは、その後市販されることはありま
せんでした。一応市販化の検討はしたのですが、水の中で動かすものはメンテナンス
が大変だし、家庭では風呂場でしか遊べないので売れないだろうということで商品化
されなかったとのことでした。

 このように各方面から評価いただいたメカモでしたが、70年代の後半に入って、だ
んだん厳しくなってきた環境規制によってメッキのコストもアップしていき、更なる
コスト高と戦わなければいけなくなりました。さらに、「うまく作れない」という問
い合わせもだんだん多くなってきたそうです。

 実は、学研の「○年の科学」が付録につけていたラジオで、コイルを自分で巻く方
式のものから、あらかじめ巻いてある、出来合いのものに変更したのが、ちょうど70
年代の終わり頃でした。このころ私も編集部に駆け出しの記者としておりましたが、
自分でコイルを巻く方式のラジオを付録につけると「ラジオから音が聞こえない」
「自分で作れない」という問い合わせやクレームが目立つようになっていました。編
集部では、そのたびにきちんとコイルを巻いたものを作って送ってあげたりしていた
のですが、あまりにも同じようなクレームが多いため、やむを得ずコイルをあらかじ
め巻いたものを付録とするようになっていったのです。

 ちょうどこの時代から以降、子供たちの興味が「自分の手で作るもの」からどんど
ん別のものに移っていき、自分で工夫して何かを作ったりするという環境が少なくな
っていったように思います。70年代後半というのは、ちょうどその転換点に当たる時
代だったのではないでしょうか。

 メカモも、このような時代の流れに揉まれながら、どうしても製造を継続すること
ができず、結果80年代の初めに惜しまれながら製造を中止したのです。

 このとき石山さんたちは、何とか製造を継続できないかと必死にコストダウンに取
り組みました。金型を香港や中国に持ち込んで製造することも試したそうですが、当
時の中国はまだ今ほどの技術がなく、商品として販売するレベルにできなかったため
断念したそうです。

 ちなみに、70年代後半から、バブルが崩壊する90年代初頭までの十数年間は、私た
ちが作っていた科学教材、科学キットのような商品にとっては、まさに冬の時代だっ
たと思います。ただ、子供たちばかりでなく、本当にこの時代は大人たちもそのよう
なものに目を向けることが少なかったのだと思います。この時代に「大人の科学」シ
リーズを発売していたら、今のように市場に受け入れてもらえたかどうかわからなか
ったでしょう。

 今、メカモを再び発売できるのは、時代の変化によるところも大きいと思います。
直接的な要因としては、中国の技術の進歩に負う部分が多いというのは皮肉かもしれ
ません。ただ、そういう形であっても、かつて惜しまれながら時代の波間に消えた商
品を、今もう一度世に問うことができるというのは、意義あることなのではないかと
思います。まもなく「復活」したメカモを手にとっていただけます。このメカモシリ
ーズも、これからは「大人の科学」の一員として長い間売っていきたいと思っており
ますので、温かく見守っていただければ幸いです。(完)


【03】……………………………………………………………………………………………
  新作「スターリングエンジン」続報
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 随分以前にちょっとだけ情報をお出ししてから、かなり時間がたってしまいました。
その間ずっと悩みつついろいろと改良を重ねていき、何とか納得できる試作を作るこ
とができました。今、細部の見直しをしている段階です。価格や発売時期はまだ未定
ですが、だいぶ先が見えてきましたので、お知らせいたします。

 まず本体の素材ですが、オールアルミを採用いたしました。形は、車の形です。現
在一般で売られているスターリングエンジンは、だいたい据え置き型でただピストン
が動くだけのものが多いのですが、「大人の科学」の作品としてはそれだけではちょ
っと物足りないので、実際にこのエンジンで走る車にしてみました。また、台座もつ
けましたので、走らせずに実験することもできるようになっています。

 アルコールランプはこの台座の方にセットします。アルコールランプをつけたまま
車が走るのはあまりにも危険なので、走るのは、熱せられたエンジン部分だけとしま
した。それでも加熱したままのエンジンがそのまま走るのでは、これも危険ですの
で、スターリングエンジンの部分は、開閉式の安全(保護)カバーをつけることにい
たしました。

 順調に行けば、近いうちに写真をご覧いただくことができると思います。どうぞご
期待ください。

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(株)学習研究社
科学ソフト開発部教材企画開発室 湯本博文
e-mail:otonanokagaku@gakken.co.jp


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