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大人の科学メールマガジン No.72 平成18年2月6日発行
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こんにちは学研の湯本です。「真空管ラジオ」について、たくさんのお問い合わせ
や励ましのメールをいただきました。熱いご意見のメールもたくさん頂戴して、本当
に感謝しております。ありがとうございます。
- Contents -
01 -「真空管ラジオ」ストーリー(2)
02 -大人の科学新作「真空管ラジオ」メルマガ会員限定先行予約について
【01】……………………………………………………………………………………………
「真空管ラジオ」ストーリー(2)
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前回は心臓部である真空管のお話をしました。前回の内容については、バックナン
バーをご覧ください。
大人の科学メールマガジン No.71バックナンバー
http://shop.gakken.co.jp/otonanokagaku/mailnews/vol071.html
実は前回のメルマガにはまだ書いてなかったのですが、今回の「真空管ラジオ」
は、調達できる真空管の数に限りがあるため、限定1万台のみの製造となりました。
これ以上真空管が調達できないので、現時点では増産することが出来ない商品になっ
てしまったことをあらかじめお断りさせていただきます。
さて、今回の「真空管ラジオ」は、それ以外にも様々なこだわりを持って開発をい
たしました。今回はそんな工夫についてお話したいと思います。
今回の企画を考えていたときに、バリコンをどんなものにするかというのは、やは
り1つのポイントだと考えていました。以前大人の科学で作った「磁界検知式鉱石ラ
ジオ」のときは、日常的な素材を利用して実現するというコンセプトがありましたの
で、このときは、プラスチックコップとアルミシールを使ってバリコンを作ることに
しました。(この方式のバリコンも非常にユニークだと思いますので、ご興味がある
方は是非そちらの鉱石ラジオもお試しください。)
大人の科学「磁界検知式鉱石ラジオ」
http://shop.gakken.co.jp/otonanokagaku/vol06.html
今回は、プラスチックできちっと整形したラジオにするつもりでしたので、まず
は、いろいろな昔のラジオのバリコンを見ながら検討しました。その中で目に付いた
のが、1920〜30年代のアメリカ製のラジオでよく使われていた「ブック型」と呼ばれ
るバリコンです。これは、蝶番でつながった2枚の板に金属板を乗せ、開いた角度を
変える事で距離を変化させ、静電容量を調整するというものです。
最近では全く見なくなった形式のバリコンなのですが、試作を作って試してみたと
ころ、性能もそれほど悪くありません。また、開く角度の調節にネジを使うことで非
常に微妙な調整もできることがわかり、今回のキットにピッタリということになりま
した。何よりも、見た目も面白いし、かつ原理が直感的にわかるという利点もあり、
大人の科学としてふさわしい機構だと思ったのです。
大人の科学「真空管ラジオ」のブック型バリコン
http://shop.gakken.co.jp/otonanokagaku/mailnews/img/72-bookstyle_b.jpg
さらに、今回のラジオの自慢のパーツに、「リッツ線」があります。これは、アン
テナに使った電線のことです。これまで私たちが作った2種類の鉱石ラジオには、い
ずれも通常のエナメル線をアンテナに使いました。「リッツ線」というのは、細い銅
線を何本も束ねて作られた電線です。通常電波は電線の表面を走りますので、アンテ
ナ線の表面積が広い方が電波をより捕まえやすくなるのです。リッツ線は皮膜の中の
電線が、細い銅線を束ねて作られていますので、電線の表面積が通常のエナメル線よ
り大きくなります。したがってリッツ線をアンテナに使えば、同じ回数巻いたエナメ
ル線より感度の高いアンテナを作ることができるのです。
私たちが中国で入手したのは、細い銅線を多数束ねたもので、しかも皮膜がシルク
製! というものでした。恐らく同じ電線は秋葉原で探してもまず入手できないので
はないかと思います。中国でこれを見つけたときは本当にうれしかったことを思い出
します。
写真ではあまり判らないかもしれませんが、シルク巻きのリッツ線のためにアンテ
ナ部分が非常に格調高く見えるようになりました。今回の作品は、インテリアとして
もなかなかのものになったと自負しています。
真空管ラジオ
http://shop.gakken.co.jp/otonanokagaku/mailnews/img/72-body.jpg
もう1つ、真空管マニアの方には喜んでいただけるのではないかというものがあり
ます。今回のラジオには、オリジナルのピン・ストレートナーが付属しています。
ピン・ストレートナーというのは、真空管の足が曲がっていないかを確認するため
の、実に簡単なツールです。
付属のピン・ストレートナー
http://shop.gakken.co.jp/otonanokagaku/mailnews/img/72-1.jpg
真空管を基板のソケットに挿す際に、足が少し曲がっているものを無理に差し込む
と、足が折れてしまい真空管を台無しにしてしまうことがあります。それを防ぐため
に、まず真空管を箱から出したら、差し込む前にこのピン・ストレートナーを使って
足の曲がりがないかをチェックするのが、昔の真空管マニアの儀式のようなものだっ
たと聞いています。実は、私自身が製品チェックの際に真空管の足を折ってしまうこ
とがありました。それを見ていたスタッフが、「そういえば、昔はこういうツールが
あった」というのを思い出してくれたのがきっかけでした。調べてみると、今はほと
んど入手不可能なツールらしく、ならばオリジナルのものを作ってしまえということ
になりました。
ちなみに、このピン・ストレートナーにもブランドがあるようで、今アメリカの
RCA製のピン・ストレートナーを持っていると、マニアの間では相当な自慢になるそ
うです。実際にどんなものが使われていたのかを探したところ、写真のようなものに
出会うことができました。今回私たちが作ったものには、学研マークを入れることに
しました。従って、限定1万個の学研オリジナルピン・ストレートナーになります。
さすがにマニア垂涎のアイテムとはならないでしょうが、ちょっとしたところにも気
を使った心意気を買っていただければと思います。
昔のピン・ストレートナー(ラジオ工房 内尾悟氏所蔵)
http://shop.gakken.co.jp/otonanokagaku/mailnews/img/72-pin-straightener.jpg
*左は松下電器製、右はアメリカ製(メーカー不明)
実に簡単な、ピン・ストレートナーのようなツールにも、いろいろなこだわりがあ
るようで、マニアの道は深いことを実感することができました。また私自身、真空管
方面にはそれほど詳しくなかったのですが、今回この作品を作ることにより、新たな
経験をすることが出来ました。価格も何とか頑張って8800円(税込)と、1万円を切
る価格を実現することができました。
このラジオでAM放送を聞くと、非常に独特な、あの懐かしい柔らかい音がスピー
カーから出てきます。そのため、現代の放送を聞いているにもかかわらず、大昔のラ
ジオ放送の電波が遠い宇宙を旅して戻ってきて聞こえているような不思議な感覚にと
らわれます。ちょっとノスタルジーにも浸れるこのラジオを、ぜひ皆様にも味わって
みていただければと思います。
【02】……………………………………………………………………………………………
大人の科学新作「真空管ラジオ」メルマガ会員限定先行予約について
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さて、今回は、いつも当メルマガを読んでいただいている皆様に感謝の気持ちをこ
めて、メルマガ読者限定の先行予約を行います。先行予約のみの特別価格にてご提供
します。今回は真空管調達の関係で1万台限定発売となり、増産ができない作品です
ので、お早めに予約していただくことをお勧めいたします。また、3月3日以降は、
通常価格での一般予約に変わりますので、当メルマガ読者の皆様は、ぜひ先行予約期
間にご予約ください。
予約受注は2月24日(金)にメールを差し上げた時点でスタートいたしますので、
もう少しお待ちください。
大人の科学【真空管ラジオ】
http://shop.gakken.co.jp/otonanokagaku/mailnews/img/72-body.jpg
*本製品は組み立てキットです。(ハンダ付け不要)
*006P9V乾電池5本、単2形アルカリ乾電池1本が別途必要です。
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┃先行予約期間 ┃平成18年2月24日(金)〜3月2日(木)まで ┃
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┃お支払方法 ┃「代引き」「振込」「クレジットカード」 ┃
┃ ┃(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners利用可能) ┃
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┃先行予約 ┃【真空管ラジオ】 ┃
┃ 特別価格 ┃ 通常価格8800円(税込)のところ ┃
┃ ┃ 7900円(税込) ┃
┣━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃送料等手数料 ┃送料無料・代引きの場合は代引き手数料無料 ┃
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┃発送日 ┃平成17年3月21日頃予定 ┃
┃ ┃ (店頭発売日は3月25日) ┃
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*発送地域は日本国内のみとなります。
*離島などの一部地域では代引き配送をご利用いただけません。ご了承ください。
*振込の場合の手数料はお客様がご負担ください。
*商品受取後10日までの返品・交換をお受けいたします。ただし組み立て開始後の
返品はお受けできません。お客様理由の返品送料はお客様がご負担ください。
*本キットの真空管は、30年以上前に製造された中国製です。性能に問題はありませ
んが、キズや汚れがあるものがあります。キズ、汚れによる交換はお受けできませ
んのであらかじめご了承ください。作動しない場合はお取替えいたします。
2月24日(金)に予約ページのアドレス(URL)を記載したメールを送信します。そ
のページで予約入力をしていただきますので、当日のメールをお待ちください。
(株)学習研究社
科学ソフト開発部教材企画開発室 湯本博文
e-mail:otonanokagaku@gakken.co.jp
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※このメールは等幅または非プロポーショナルフォントで最適化してあります。
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