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大人の科学メールマガジン No.78             平成18年8月11日発行
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 大人の科学ファンの皆様こんにちは。学研の湯本です。前回お知らせしたとおり、
新たに確保した真空管によるラジオの製作が順調に進んでおります。今回はその続報
をお届けします。

- Contents -
  01 -真空管ラジオVer.2 開発進行中!

【01】……………………………………………………………………………………………
  真空管ラジオVer.2 開発進行中!
…………………………………………………………………………………………………

 前回のメルマガの最後に、「1万本以上の真空管があるかもしれない」というお話
をさしあげました。その後、中国側と粘り強く交渉した結果、今回確保した1万本の
真空管と全く同じセットが、さらに数万の単位で中国に存在することが確認できまし
た。

 私たちは、今回1万セット+αの買い付けを行ったのですが、全く同じ業者の倉庫
の奥に、さらに数万セットの真空管が眠っているということが新たに判明したので
す。

 したがって、今回製造する真空管ラジオVer.2につきましては、前回のような1万
台の限定版ということではなく、追加製造可能な商品となります。これで大人の科学
シリーズの定番ラインナップに、この真空管ラジオを加えることが可能になりまし
た。

 それでは今回確保した真空管の写真をご覧に入れます。前回のように、「軍」マー
クのものは入っていないようで、基本的には「北京」マークの真空管ということにな
ります。

今回の真空管セット
http://shop.gakken.co.jp/otonanokagaku/mailnews/img/77.jpg
左から、1K2、1A2、2P3です。

 現在、この真空管を使った真空管ラジオVer.2の製作が進んでおります。今回は、
この新しい真空管セットのためにまず回路を修正しないといけません。

 再生検波に使うのは、前回と同じ「1K2」ですので、この部分の回路は変更しませ
んでした。電圧増幅にあてた「1A2」は、本来周波数変換管として作られた真空管で
す。「スーパーヘテロダインラジオ」用に生産された球ですので、今回の「再生検波
ラジオ」の電圧増幅に使うにはややもったいない感じです。今回、球の特性を生かし
て、バイアス回路に少し手を加えました。

 電力増幅の「2P3」は、前回と比べるとかなりの大出力管です。そのため消費電流
が大きいという難点があります。これを省電力化するため、今回は2つのフィラメン
トの片方だけを使うことにしました。そのため、万一この真空管のフィラメントが切
れても、残ったフィラメントで再利用できることになります。改造できる方でした
ら、両方のフィラメントに通電することで、音量アップの実験もできると思います。
プリント基板には改造用のランドを追加しておきました。

改造用ランド
http://shop.gakken.co.jp/otonanokagaku/mailnews/img/77-2.jpg
ランドに半田を盛ってショートすると両方のフィラメントに通電します。


 さらに、今回はお客様からご要望が多かった5極接続の回路にいたしました。前回
のラジオでは、真空管の抜き差しや、挿し間違えたことによるダメージを回避するた
め、敢えて3極接続回路にしたのですが、編集部が想像していたよりはるかにそのよ
うな破損事故が少なかったため、今回は思い切って5極接続の回路を採用することに
いたしました。

 さらにVer.2では細かい点のリファインを施しております。主な改良点は、下記と
なります。

・底板を「紙」から「ファイバーボード」に変更し質感を上げました。
・ソフトな足ゴムを追加して電池管特有のハウリング傾向を改善します。
・マイクユニットを追加して音の増幅実験ができるようにしました。配線ミスや真空
 管不具合の発見ツールとしても使うことができます。
・トランスを大きくして、音量・音質の改善をします。
・バリコンの送りピッチを細かくして、チューニング性を改善します。
・2P3フィラメントのショートランドとアンテナ線用半田ランドを追加して、改造しや
 すくしました。(半田コテが使えるユーザー向け)
・リッツ線は1920年代に実際に使われていた淡い「緑色」を再現。
・本体色は深い「茶」と「黒」のツートーンカラーにしました。


 これらの改良により、Ver.2ではありますが、前回のものとはまた違った個性の真空管ラジオになると思います。開発も順調に進んでおり、この調子ですと今年の秋頃には発売できると思います。今回も予約の企画を考えておりますので、どうぞご期待ください。


(株)学習研究社
科学ソフト開発部教材企画開発室 湯本博文
e-mail:otonanokagaku@gakken.co.jp

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