―― ホビーショーでは「アルファルーム」「へアルーム」「フィンガールーム」と3つの新商品を発表されていましたが、これらの商品が開発された経緯はどんなものだったのでしょう?
今回の新商品ですが、どれも開発のきっかけとなったのはファンの方々の作品なんですよ。「アルファルーム」の場合は、多くの方がアルファベット模様を編み込んだブレスレットをレインボールームで作っているのを見たことでした。レインボールームでこういったブレスレットを作ろうとすると3時間くらいかかってしまうので、ファンの方がもっと簡単につくれる編み機を開発できないかと思って開発したんです。
昔のドットマトリクスプリンターが7本のピンで構成されていたことを思い出し、編み機のピンを7本セットにすれば文字を編めるなとひらめいて、「アルファルーム」の編み機はピンを7本セットにしました。それからフック(編み棒)ではなく、特殊なコームも開発しました。このコームを使うと7本のピンにかかっ ている輪ゴムを一気にまとめて編めるので、レインボールームの7倍の速さでブレスレットを編むことが可能なんですよ。
「アルファールーム」 2000円(税別)
―― このコームはすごいですね!
あとパンフレットに入れた実寸の編み図は、レインボールームのウェブサイトからもテンプレートをダウンロードできるようにして、ファンの方々がデザインやアイデアをシェアできるようにもしました。この編み図を用紙から切り離して、手首周りの長さにあわせた状態でドット絵みたいに文字や模様を描きこめば、すぐにブレスレットづくりをはじめられるんですよ。
―― 「アルファルーム」に付属している輪ゴムですが、レインボールームのものと比べると少し太く感じられるようですが…?
そうなんです、模様がきれいに出るようにレインボールームの輪ゴムよりも少し太くて、やや小さめな仕様にしたんです。でもレインボールームの輪ゴムを使って編むこともできますし、他の編み機で作った作品を「アルファルーム」に移植してアレンジを加えることも可能です。レインボールームを楽しんでくれている方々は、これまでにない新しい作品を作って誰かにプレゼントしたいと思っている人が多いように感じているので、全く新しい革新的な編み機をつくろうと思ったんですよ。
―― なるほど。この「へアルーム」については?
子どもって髪飾りをつけるのが好きですよね? この「へアルーム」は編んだものを髪につけられるように開発したんです。この「へアルーム」には、フックを使わずにピンに輪ゴムをかけていくだけで編める「フィンガールーム」という小型編み機がセットに含まれています。このフィンガールームで編んだものに、付属のエクステンションロッドという棒を通し、このロッドに通してあるフックに髪の毛をひっかけてロッドを抜きとると、簡単に髪に作品をつけられるんですよ。また他の編み機で編んだものでも「へアルーム」のパーツを使えば、髪につけられるようになっています。
「ヘアルーム」 2000円(税別)
―― 編んだものにヘアピンを通して髪飾りにするよりもかわいくていいですね! ホビーショーにあわせて発売された「フィンガールーム」はどうして開発を?
指を使って輪ゴムを編む方々もいるのですが、どうしても編みつづけていると指先が痛くなってしまうようで。そこで、より簡単に指だけでも編める「フィンガールーム」を開発したんですよ。これにはピンが4本ついているのですが、輪ゴムをねじってかけたり、ピンを3本だけ使って編んだりと、実は何通りもの編み方を楽しめる仕組みになっていて。色々な人に試してもらったのですが、小さなお子さんからお年を召した方まで、皆さん簡単に編めると言ってくださいましたね。子どもでも扱いやすい大きさですし、お年を召した方には指先のトレーニングにもなりますし、小さいので持ち運びやすいというポイントもあるので、今後かなり強力な製品になるのではないかと思っています。
フックを使わずに指で編める
「フィンガールーム」 650円(税別)
―― しかし、よくこんなにアイデアを思いつきますね!
いや、いや。周りの皆さんが助けてくれるんですよ、「こうしたらどう?」とか「いや、こうじゃない?」って(笑)。みんなが考えてくれたアイデアを聞いて、それらの要素を組み合わせて開発をするので…みんなのチームワークがあるからこそ生まれるんですよ。