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ストリート・オルガン・フェスティバルを訪ねて

ドイツ ヴァルトキルヒ文・写真/村上泰造

 この旅ではオルガン・フェスティヴァルの前後にオルゴールや自動楽器、時計の博物館、工房を訪ねました。全てをご紹介できないのが残念ですが、その内のいくつかをここでご紹介します。また、ご紹介する博物館や工房の記述もごく簡単なものになったことをご了承ください。

ヴァルター・ダーレル/スイス

 鳥オルガンがふろくの「大人の科学」マガジン20号で紹介されている本型セリネットは、ダーレルさんの作品です。

 工房はスイスのブルック。多くの博物館やコレクターから自動楽器全般の製作修復に高い評価と信頼を受けています。

 フープフェルトのピアノ+ヴァイオリンの自動楽器を独自に改良して新しく作ったり、カリヨン・クロック、フルート・クロック、オートマタの製作や修復など幅広く活躍。作品は東京の「オルゴールの小さな博物館」「河口湖オルゴールの森」、西宮の「堀江オルゴール博物館」、神戸の「ホール・オブ・ホールズ六甲」などでも見られます。

80年前のオリジナルを元に、
独自の工夫を盛り込んで新しく作った
ピアノとヴァイオリンの自動楽器。

工房で作業中の
ダーレルさん。

ふろくの
鳥オルガンを演奏。

リュージュ社/スイス

http://www.reuge.com/

 スイス西北部ジュラ山脈の標高1200m のサント・クロワにリュージュ社はあります。この町はかつてあちこちの通りにオルゴール・メーカーがありました。

 オルゴール産業は蓄音器やラジオの普及で大打撃を受け多くが他の産業に転換する中、少数のメーカーが宝石箱やヌイグルミに入る小さなオルゴールを作って生き延びてきました。

 第2次大戦後はさらに日本のメーカーによる大量生産、最近の中国の安価な製品など、多難な時を経て、オルゴールの生まれたスイスにただひとつ残ったリュージュ社は高品質なオルゴールやシンギング・バードを今も作り続けています。

製作中のオルゴールの音の元、コーム。
低音の櫛歯には鉛の錘が付けられている。

櫛歯を弾くシリンダーのピンをチェックする様子を見学。

さまざまな色の羽。

シンギング・バード(鳥の鳴きまねをするオートマタ)の羽付け作業をしている。

ボー博物館/スイス

http://www.museebaud.ch/

自動オルガンの裏側。ブック(譜面どおりに穴をあけられた記録媒体)が何曲分もエンドレスにつながっている。

 1955年のオープン、この世界最初のオルゴール博物館はサント・クロワの隣村、ローベルソンにあります。

ローベルソンもかつてはオルゴール作りの盛んな村でした。その中でボーさんの一家は代々オルゴール製作や修理に携わってきました。

ひとつしか作られなかった大型のシリンダー・オルゴール。大小のドラム、ベル、シンバル、カスタネット、リードオルガン付。

 大型の自動楽器のほか、全盛当時の工具や珍しい試作品なども展示されオルゴールの歴史も知ることができます。修理で忙しい工房は世界中のコレクターがその技術をたよる貴重な存在です。

小さなオルゴールのいろいろ。

工房のあるじ、
ブルゴーズさん。

オルゴールのシリンダーにピンを打つ自動機械。

フランソワ・ジュノー/スイス

http://www.francoisjunod.com/

 リュージュ社と道路を挟んで向かい側に日本語の大きな看板「オートマタ」の文字が見えます。フランソワ・ジュノーさんは日本にもいくつか作品をおさめているオートマタ作家です。

製作中の文字を書くオートマタ。

工房の一角。

 彼のオートマタはとても精密な構造を持ち、作風は伝統的なスタイルから現代的なテーマまで多彩です。サイズも高さ30cmほどから実物より大きな馬までいろいろ。大胆なアイデアを緻密な技術が支えています。

 日本では、京都嵐山オルゴール博物館で作品が見られます。

大きな馬のオートマタの構造。

シュパイヤー技術博物館/ドイツ

http://www.technik-museum.de/

 ライン河に面したドイツの古都シュパイヤーは古くから栄え、町のシンボルの大聖堂は世界遺産です。

 技術博物館はあらゆる種類の自動車、鉄道、航空機、船舶などの実物が屋内と野外に展示されています。その広さ、種類と数に驚きます。

蒸気自動車からF1 まで。
これは消防自動車のグループ。

ゲバートさんが修復した大きな自動オルガン。

ボーイング747が
離陸しているような展示。

 室内展示場の2階バルコニーには幅11mほどの大きな自動オルガンがあります。また大型のダンス・オルガンがところどころに展示されていますが、まわりが広いので目立ちません。

 野外で目を引くのは柱で高く宙に浮いているジャンボジェットで客室や操縦室はもちろん貨物室にも入ることができ、さらに翼の上に出ると(!)遥かシュパーヤーの教会の塔を望むことができます。

 乗り物好きにはたまらない博物館ですが、すぐ横に自動楽器の博物館もあります。古いお屋敷を使った施設にはいろいろな自動楽器が置かれています。

ピアノとヴァイオリンを演奏する
自動楽器。

 オルゴールや自動楽器はその頃の衣装を着た人形や室内装飾がされた部屋に置かれていて時代雰囲気ごと楽しめます。

 1日では時間が足りない、という人のためにホテルもある大きな施設です。

オルゴールと自動楽器の展示館で
自動楽器を調整中の技術者。

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