色を持ったものは、その色の光だけを反射し、それ以外の色の光を吸収している。吸収したエネルギーの多くは、ふつう熱として放出されるが、アントシアニンなど一部の色素では、吸収したエネルギーで電子を励起させる性質がある。このように色素が電子を励起させる性質を利用したのが、色素増感太陽電池だ。比較的安いプラスチックフィルムで作ることができ、軽量で柔軟、しかも透明なので、いろいろなところに貼り付けて発電できる。応用範囲の広い次世代の太陽電池として期待されている。
今回の実験では、+極側に、ヨウ素溶液の反応を高めるため、触媒として炭素を塗った
(1)色素増感太陽電池に光を当てると…。
(2)色素が光を吸収し、電子(e−)を放出する。
(3)電子は、酸化チタンに移動し、導電膜へと伝わる。
(4)電子は対極まで移動し、三ヨウ化物イオンにくっついて還元し、ヨウ化物イオンにする。
(5)ヨウ化物イオンは電子を放出した色素によって酸化され、三ヨウ化物イオンになる。
(1)~(5)をくり返して、電気が流れる。
ヨウ素が酸化還元を繰り返すところが、植物の光合成に似ている。 |