特集記事一覧へ戻る

特集記事

特集:世界一の万華鏡を作る依田夫妻をたずねて

世界を魅了する日本の万華鏡作家

取材・文・ムービー/マガタタカユキ
写真/小笠原成能
取材協力/エトワール海渡

 依田満 ・百合子夫妻は、日本を代表する万華鏡作家である。国際的な組織である万華鏡協会「ザ・ブリュースター・カレイドスコープ・ソサエティー」が主催する世界最大規模のコンペンションにて、グランプリに値する「Peoples Choice Award」を、2005年に「Time -時-」で、2006年に「宇宙2006 -空と宙-」で二年連続受賞している。
 賞を審査するのは、世界各国からエントリーした出展者やコレクターなどさまざまな立場の出席者。万華鏡に詳しい多くの人から認められたことは大いに価値がある。
 2004年に出展した「永遠の生命」では、四季をテーマに万華鏡を表現した。だが、世界中の人が集まるコンベンションである。四季の変化があまりない国の人には、残念ながら受け入れられなかった。

 そのリベンジとばかりに翌2005年は、万国共通のものをテーマに選択。「Time -時-」は、その名の通り、時間をテーマにした作品である。ガラスの本体の底面には、和時計と洋時計の針が回転するオブジェがつけられている。時間の経過と共に、具材を浮かび上がらせるバックライトの色が変わり、朝、昼間、夕方、夜という4つを光で表現する。見事に前年の雪辱を晴らすことができた。

「宇宙2006 -空と宙-」は、宇宙を表現した作品で、2000年に発表された「宇宙2000」の続編に当たる。「宇宙2000」で、ロケットの発射台をイメージしてコンテスト第三位。この作品で宇宙に飛び出したのだから、今度は宇宙から見える景色を表現しようというのが発想の原点だった。どうにかして無数の星を万華鏡の中に閉じ込めることはできないか? 試行錯誤の上できた万華鏡は、具材の周りを輝く星が動いている様子が見える。本体右下にあるボタンを押すと、内部の鏡が回転し、ビックバンのように爆発。静と動、まったく違う2つの模様を楽しむことができる。ちなみに、ご夫妻から、本体のデザインは、本誌「大人の科学マガジン」のプラネタリウムの付録をヒントにしたと伺った。嬉しい限りだ。
 次回は、どんな万華鏡で世界を驚かしてくれるのか楽しみである。

■依田夫妻の公式ホームページ『クリスタルガーデン白金』
http://www.yoda-scope.com/

MOVIE

時間の移り変わりを表現した万華鏡『Time -時-』

MOVIE

覗くと広大な宇宙が広がっていく『宇宙2006 -空と宙-』

MOVIE

まだまだある
依田夫妻の作品集

ムービーをご覧頂くには、Flash Playerが必要です。お持ちでない方は、こちらからダウンロードしてください。

特集記事一覧へ戻る このページのトップへ