電ブロの回路の中で中心はラジオになる。ラジオ回路には多くの方式があり、アナログ電子回路の基礎を学ぶにはうってつけなのだ。
ラジオ回路にはいくつかのポイントがある。ひとつは本体側に組み込むアンテナコイルだ。すでにお伝えした通り、バリコンを使用しないので、今回はアンテナコイル部分で同調も行うことになる。既製品のコイルでは今回のふろくにうまく合わず、新たに生産することになった。コイルの性能はコイル線とコア材で決まる。中国から何種類かのフェライトコアを取り寄せ、試作した部品に組み込み、何種類ものコイル線を巻く。フェライトコアの長さはふろくの筐体のサイズに限定されるため、その長さですべてのAMラジオ局が聞こえるよう、コイル線の線径と巻き数を決めていく。しかし、周波数帯500〜1600KHzをカバーできるフェライトコアと巻き数の組み合わせがなかなか見つからない。1次コイル、2次コイルの巻き数、さらには、位置関係などさまざまな検証作業の末、ようやくベストの組み合わせが決まった。今回アンテナコイルにはラジオの同調以外にもうひとつ大きな役割を持たせた。それは、トランスの代用である。そちらは、難なくクリアできた。
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▲電子ブロックminiで使用しているゲルマニウムダイオード(左)と、トランジスタ(右)。
ブロックの中に電子部品が組み込まれている。 |
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