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Gakken PRESENTS 大人の科学:製品版

からくりシリーズ

大江戸からくり人形

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実験ハイライト

「大江戸からくり人形」は江戸時代に書かれた唯一の指南書『機巧図彙(からくりずい)』を元に復元した自動人形です。お客様にお茶を運んだり、空になった茶碗を下げたりします。ロボットの原点ともいえる人形です。

「大江戸からくり人形」の動き

からくり人形の動作には様々な機巧(からくり)が関わっています。各動作ごとの機巧の詳細はこのようになります。

発進、停止の機巧
   

発進、停止のスイッチ機構を担っているのは、腕に連動した自動調節棒。お盆に茶碗を置くと腕が下がり、棒が上がります。この自動調節棒は歯車のストッパーの役割をはたしているので、棒が上がると、ストッパーがはずれて歯車が回転し始めます。茶碗をとると、腕が上がり、逆にストッパーが機能して歯車が止まるのです。(図=a)

前進する機巧
   

ゼンマイのほどける力を最初に受ける一の輪の歯数はこの人形では80。その動力を受ける二の輪の心車の歯数は120。計算上は7回転近くになりますが、およそ5回転ででっぱりにひっかかります。心車は1回転で18cm進むので、ひっかかるまで(旋回するまで)約90cm前進することになります。ゼンマイについては、機巧図彙ではクジラの髭を使うよう、指示していました。(図=b)

お辞儀の機巧
   

お茶を運んで来たときにきちんとお辞儀をする茶運び人形。この動作を制御しているのは、回転板です。首から伸びた部品にでっぱりがひっかかると、首の部分が引っ張られ、頭が下がります。でっぱりがはずれると、引っ張りが解除され、バネの働きによってもとにもどります。回転板は進行方向も制御しているので、旋回と関係してお辞儀をします。(図=c)

方向転換の機巧
   

方向転換を行うのは、底部の小さな車輪。三輪車の前輪と同じく、角度によって進行方向が変わります。角度は、回転板によって押されることで変わり、押されている間は右に旋回し続けます。でっぱりがはずれると、車輪はもとの位置にもどり、直進する仕組み。旋回の角度はでっぱりを調整することで、自由に変えられます。(図=d)

すり足の機巧
   

人形が動いている間、足先は前後に動きます。あたかも、お茶の作法を守り、すり足で前進しているよう。これは、左右の動輪の中心と、足の運びを制御する回転軸の中心をずらし、クランク運動させることで実現しています。機巧図彙には、左側では中心より前寄りに、右側では中心より後ろよりに取り付けるよう指示しています。(図=e)

速度を調節する機巧
   

全体の速度を調節しているのは、「行司輪」と呼ばれる後部の歯車(写真)。「天符」(テンプ)にある2つのストッパーが歯車にひっかかることで、回転を制御しています。和時計の調速機の技術の応用です。この人形では速度調節棒に板おもりをまきつけることでさらに細かいスピードの調整ができるようになっています。(図=f)

からくり人形の動きを動画で観る Flash(動きのイメージ)
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