今から40年ほど前、北ヨーロッパで、湖に魚の姿が見られなくなったり、古い教会のブロンズ像がボロボロになったりし始めました。しばらくすると森の木が枯れ始め、1980年頃からはヨーロッパや北アメリカなどでも木が次々に枯れ出しました。この原因が酸性雨だったのです。
酸性雨とは、pH5.6以下の雨のことを言い、石油や石炭の燃焼により生じる硫黄酸化物や、自動車の排ガスに含まれる窒素酸化物などを溶かし込んだ、酸性度の強い雨のことです。日本でも、1980年代にはpH4台の酸性雨が降ったことがあり、スギの立ち枯れ現象は関東や関西でも見られます。
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