「学研はずいぶん酸性雨に力を入れてきたみたいですね」
湯本:「科学」の学年誌で酸性雨調査のための試薬が付録としてついたのはずいぶん昔のことですね。1990年代の前半のことだと思います。これが大変評判を呼んだので、その後、1年~6年の全学年が夏休み号にいっせいにこの試薬を付録としてつけて、読者に測定した酸性雨のpHをハガキで送ってもらう「酸性雨調査キャンペーン」というのをはじめたんです。これで、ハガキを送ってくれた子供たちが住んでいる市町村別の酸性度を色分けして日本地図を作ってるんですね。規模からいって、日本最大の酸性雨調査と言っていいと思いますね。
「環境教育についての関心の高まりのようなものがやはり背景にあるんですか?」
金子:その通りですね。90年代の前半には、かなり学校現場で環境教育が重視され始めたんですね。そういう背景は確かにありました。
「では、このキットは割とすんなりとできたというわけですか?」
湯本:まあ、他のに比べるとかなり楽ではありましたね。
金子:酸性雨試薬以外にも、紫外線検出のプレートなども昔から科学の付録にいろいろな形でついていたんですよ。
湯本:色の変わるガイコツとかね(笑)
金子:こういう長年の経験で、試薬とか素材などはもう散々改良してきましたんで、今回のこのキットは量産になっても、それほどあわてることはありませんでした。
「人の科学シリーズの中で最も安定感のある商品ということですか?」
湯本:他のシリーズが安定感がないということではないんですが(笑)、これについては、いままで培ってきた「科学」の付録作りのノウハウが存分に生きてますね。というか、そういうバックボーンがないと、やはりこういうものでもなかなかツボをつくのは難しいかな…、と自負してますね。 |
▲様々な環境に関する実験が楽しめるキット |
「ありがとうございました」
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