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2月某日、『Helpless』、『EUREKA』と3部作をなす最新作『SAD VACATION』の編集に追われる映画監督の青山真治さんが、多忙な時間の合間を縫って、学研の『科学』のふろくの思い出を語ってくれた。
文/佐保圭 写真/小林幹彦[彩虹舎] ムービー制作/眞形隆之
青山真治監督に聞く【前編】
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『EUREKA』でカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞・エキュメニック賞を受賞して以来、数々の問題作を発表し続けてきた映画監督であり、自作のノベライズ小説『EUREKA』で三島由紀夫賞を受賞以来、小説家としても活躍。辛口の映画評論でも知られる強面の論客が“科学のふろく”の思い出を語り出した時、そこには意外なほどチャーミングな少年の面影が浮かび上がってきた。
▲思い出のカメラを手にする青山監督。意外なほど小さいボディに時の流れを感じる。
青山 「映画監督になった理由」というのはちょっとダイレクトすぎるんですけれど、映像に興味を持ったというか…ソフト面だけでなく、ハードの面まで向かっていったそもそもの発端だったかもしれないですね。
ふろくのカメラがおもしろかったのは「こういうふろくが来たから、おまえら撮ってやる!」って下級生の写真を撮ったんだけど、あれ、時間がかかるんですよ。動いちゃだめなの。でも、小学2、3年生って落ち着きがないから、動くんですよ、やつらは。そこで、「動くんじゃない!」と言うわけ。そういう“人に対する一種の演出”をやったのも、あれが最初だったような気がする。
青山 ええ。
青山 何ですか? 「その時から」っていうのは(笑)! ガキ大将じゃないですよ、友達はいっぱいいましたが。
青山 こんなちっちゃかったっけ…まあ、自分の大きさから考えると、やっぱり、そうですね…こんなにちっちゃいもんだったのか…。
青山 ちょっとぶれるんですよ。(のぞく部分のフレームとは別に)実際のフレームは下だから、ちょっとずれる。「動くな!」って言って、フタをしめてから…。
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