人馬一体の難しさを思い知り、
村民は途方に暮れていた。
石川氏から更に提案がだされ、ロープの右端を重機に繋ぎ、左から12頭立てで引っ張ることに決定。両側の馬たちのタイミングを合わせるのはかなり困難、一方を固定した方がやり易いのだろう。
で、またもやヨーイ・ドン!と引っ張ったら、今度は瞬間最大590kgを記録した。真空鍋はビクともしない。鍋を天井から吊り、現役時代の小錦二人がぶら下がっても離れないのと同じだから、これは凄い!しかし、前記したように割れるまでやる実験なのだから、まだまだ力不足である。膠着状態が続いた。
そこで小休止、瞬間接着剤でくっつけた鍋を馬で引っ張ってみたら、計測器の数値を視認する間もないほどに、あっけなく二つに割れてしまった。大気圧は瞬間接着剤を子ども扱いにしたといえる。
我々は、その大気圧を生まれてからずっと受け続けているというのだから、不思議というか驚きではないか。
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