ついに、村長の最終兵器、
車とブルドーザーが登場!
とうとう文明の利器の力を借りることに決定である。350年前と同じ方法で実験するはずだったのだが、止むを得ない。湯本村長が苦渋の決断を下し、重機と大勢の人と犬を乗せた車で引っ張ることにしたのだ。
真空鍋が二つに割れる瞬間に大砲を撃ったような音がすると文献に記されている、村長はその音をどうしても聞いてみたかったのである。だから割らなきゃならんのだ。 |
|
馬30頭分の力を出す
ブルドーザーのエンジンがうなる!
重機が動き出した。そしたら891kgのときにバシャーンという音とともにうどんすきの真空鍋は二つに割れ、水が辺りに飛び散った。 |
|
残念である。大砲爆裂音はしなかった。鍋の中に水が入っていたからだろう。1トン以前に球は割れてしまった。しかし、891kgの数値を視認してからコンマ何秒か後に割れたのだから、割れた瞬間には1000kgを超えていたかもしれない。そうにちがいないから今回の実験は成功したと、西脇主任は宣言した。
人馬一体がいかに難しいかということだけは、村役人、村民とも全員が理解したのである。その後ろで馬たちが笑っていた。
|