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↑サイクロトロンとは、荷電粒子(電子のように電荷を持っている粒子)を直流磁場中で回転運動させ、これに同調した高周波電圧で加速する装置。
磁場中に電極(ディー)を入れ、粒子が電極間を通るごとに繰り返し加速する事により、一回の加速では到達できない速度まで加速する。加速につれて、粒子の軌道の半径は増加し、最後に、引き出し用電極(デフレクター)により、磁場の外へと取り出されて、標的に導かれる。この点で、同一軌道上を粒子が回りつづけるシンクロトロンと異なる。途中で気体分子と衝突して速度が落ちないように、加速は真空槽内で行われる。 |
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↑1935年(昭和10年)に小サイクロトロンを作りはじめた頃から、仁科は、これをより大型のものへの1ステップと捉えていた。
1936年(昭和11年)には、ローレンスに60インチの装置の建設をもちかけている。ローレンス達は1939年(昭和14年)にこれを完成。全く同じ磁石が日本に輸入されたのは1938年(昭和13年)6月、石川島造船が取り付けを担当した。しかし、日本での大サイクロトロンの建設は難航をきわめた。非常にうまくいった小サイクロトロンを単純に大きくすればよいと考えたところに、落とし穴があったのである。 |
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