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 [第1回]プラネタリウム・クリエイター 大平 貴之

ふろくのカメラとの出会いで
プラネタリウムの世界に導かれる

記者 大平さんの著書『プラネタリウムを作りました』にもありますが、小学5年生の時のふろくの“カメラ”との出会いが、プラネタリウムの世界に入るきっかけだと聞きましたが?

大平 あれは、衝撃的な出会いでしたね。ふろくのカメラでは、写す対象の像がレンズを通って背面の磨りガラスに写る。光学的原理がまずわかる。背面部分に付属の印画紙を入れて写真を焼き付けたら、現像液で現像してネガフィルムをつくり、コンタクト・プリントでポジにする…。つまり、写真の基本原理のすべてが入っているんです。感激しましたね。

そうしてカメラの世界にはまったのですが、当時、隣に住んでいた光学メーカーのエンジニアの方にコピー機のレンズをいただいて、引き延ばし機やカメラも自分でつくったりしました。

▲大平氏を光学へと導いた『5年の科学』4号教材「実験カメラセット」。

記者 家にカメラはなかったのですか?

大平 父のカメラがあるにはありましたが、何事も「原理」から入るのが好きでしたから。

記者 原理からと言って、カメラまで手作りすることはないんじゃないかと…。

大平 プラモデルに興味を持たなかったのも、他人がつくったマニュアルにそってやるのがあんまり上手じゃないからだと思います。説 明書を読むのも好きじゃなかった。自分自身で何かやり方を考える方が楽なんですよね。

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