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大人の科学実験村 第3回 雪のパラボラアンテナで海外の衛星放送を受信せよ!

ラストスパート! 村長自らツルハシで氷と格闘!

 しかし、かなりの深さのところまで氷結しており、作業は難儀を極めた。村長湯本が汗だくになりながら凹面の中心に立ち、シールド板を力尽くで回転させる。板では歯が立たない堅い氷を村民がツルハシで叩き割る。湯本村長は、凹面の穴の中で作業を続け、2時間は外に出なかった。本日の村長は無理難題氏ではなく、獅子奮迅氏だな、と西脇主任は思った。やればできるものである。作業開始からおおむね4時間半、アドバイザー斎藤氏が、「うん」とうなずきながら凹面を見下ろしたときに、湯本村長は穴から出て、完璧宣言を発した。

 中心に鉄パイプを立て、コンパスを使いほぼ正確に方位角168.6度、仰角47.5度に合わせ、ゴリゾンからの電波を受けるコンバーターをセット。スペクトラムアナライザーで受信状況を見る。コンバーターの高さとアンテナの角度を微妙に変えながら電波を探す。が、あっ、とらえたと思ったら、一瞬後に無反応という繰り返しが続いた。

 パラボラ面の歪みが大きく、しかも雪では反射率が十分ではないと判断。雪の凹面に金網を張ることにした。その金網作りも結構大変だった。鉄切り鋏を持つ手の握力が続かない。腕がバカになってしまうのだ。でも、楽しいですね。村民3名が金網を切りながら言ったセリフである。そうでしょう、ええ、そうなんですよ、しんどいけれども楽しい、それが我々の実験村です! と金子助役。それは村民に向けて僕に言わせてもらいたいよなあ…と西脇主任はちびっと不満だったが、金網を張り終えアンテナからのコードをテレビに接続した瞬間、西脇主任は不満を忘れた。

ひとまず、パラボラ完成! はたして受信はできるのか?
14. スペアナの画像を見ながら、コンバーターの位置を微調整する。15. ゴリゾンの電波をとらえたスペアナの画像。波形が突出している。3mのパラボラにしては、ゲインが少ない。パラボラの歪みが大きく、電波を打ち消し合っているようだ。

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